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食事のマナーは「叱られないため」じゃない
ケンタ:「はぁ…。ごはんのたびに『ひじをつかない』『お茶碗にまだ米粒がたくさん付いてるよ』って言われる。マナーってめんどくさいなぁ」
ガマえもん:「なるほどね。ケンタくん、マナーって『叱られないためのルール』だと思ってないかい?」
ケンタ:「え、ちがうの? できてないと注意されるからさぁ」
ガマえもん:「ケンタくん。マナーは、感謝と思いやりを伝えるカタチなんだ」
きれいな食べ方は「ありがとう」の代わり
ケンタ:「感謝を伝える? どういうこと?」
ガマえもん:「きれいに食べるのはね、『作ってくれてありがとう』『一緒に食べてくれてありがとう』を、言葉のかわりに見せているんだ」
ケンタ:「食べ方で、ありがとうが伝わるの?」
ガマえもん:「伝わるよ。だらだら食べられるより、おいしそうにきれいに食べてもらえたら、作った人はうれしいだろう? マナーは、相手への思いやりそのものなんだ」
気持ちいい食べ方は「信頼」になる
ケンタ:「でも、食べ方なんて、そんなに見られてないでしょ?」
ガマえもん:「それがね、みんなよく見ているんだ。背筋を伸ばして、お茶碗を持って、きれいに食べる人は『相手を大切にできる人』だと思われるんだよ」
ケンタ:「へえ…。食べ方でそんなふうに思われるんだ」
ガマえもん:「そういう人は信頼されて、大人になったとき、たくさんの仲間や、応援してくれる人に恵まれるんだ」
ケンタ:「食べ方が、そんな先のことにつながるの?」
ガマえもん:「つながるんだ。だから食卓は、ただごはんを食べる場所じゃない。素敵な大人になるための、練習の場所でもあるんだよ」
テレビを消すと、味も会話も濃くなる
ケンタ:「じゃあ、ほかに気をつけることはある?」
ガマえもん:「ひとつ、おすすめがある。ごはんのときは、テレビを消してみること。テレビを見ながらだと、実は料理の味って、ちゃんと分からないんだ」
ケンタ:「え、そうなの?」
ガマえもん:「そうだよ。テレビに気を取られていたら、せっかくのおいしい料理も、野菜そのものの味も、ちゃんと味わえずに通りすぎてしまうんだ」
ケンタ:「言われてみれば、たしかに…」
ガマえもん:「一度にひとつのことに集中したほうが、味もぐんと深く感じられるんだ」
ケンタ:「たしかに、ながら食べだと、食べたのに覚えてないときあるかも」
ガマえもん:「だからテレビを消して、みんなの顔を見て話しながら食べる。味も、会話も、家族の時間もぐっと濃くなるんだよ」
覚えておきたい、基本のマナー5つ
ケンタ:「なるほどね! でも、具体的には何をすればいいの?」
ガマえもん:「よし、まずはこの5つから始めよう。むずかしくないよ」
① 食べる前に「いただきます」、食べたあとに「ごちそうさま」を言う。
② お茶碗は、テーブルに置いたままじゃなく手に持つ。
③ 背筋を伸ばして、ひじをつかない。
④ 口を閉じて噛む(くちゃくちゃ音を立てない)。
⑤ 口に食べ物が入ったまま、しゃべらない。
ケンタ:「あ、これならぼくにもできそう!」
ガマえもん:「全部いっぺんにやろうとしなくていい。今日はどれか1つだけ。それができたら、また次の1つ。少しずつでいいんだよ」
マナーは、何歳からでも直せる
ケンタ:「でも、今からきれいに食べるのって、なんだか自信ないな…」
ガマえもん:「大丈夫。実はね、ケンタくんのお父さんも、大人になってから、お母さんのためにお箸の持ち方や食べ方を一生懸命直したんだよ」
ケンタ:「え、お父さんが!? 大人でも直すんだ」
ガマえもん:「そう。大切な人を笑顔にするためにマナーを直すのは、とてもカッコいい努力なんだ。何歳からでも遅くないんだよ」
まとめ:食卓は、素敵な大人になる練習の場所
ケンタ:「ぼく、今日の晩ごはん、背筋を伸ばしてお茶碗を持って食べてみる。それで『おいしかった!ごちそうさま!』って笑顔で言うよ」
ガマえもん:「最高だね。作ってくれた人の愛情を受け取って、一緒に食べる人を笑顔にする。食事を大切にできる人は、素敵な大人へと育っていくんだ」
ケンタ:「食べるって、そんなに大事なことだったんだね」
ガマえもん:「そうだよ。今日の一歩は、いただきますを、心をこめて言うことだよ。それだけで、食卓がぐっとあたたかくなるからね」
おしまい


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