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そのお金、どっちに使った?
ケンタ:「ガマえもん、おこづかいでゲームに3,000円使っちゃった」
ガマえもん:「そうか。じゃあ聞くけど、その3,000円は今どこにあるんだい」
ケンタ:「え……もう消えたよ」
ガマえもん:「今日はね、その『消え方』の話をするよ」
お金の使い道は、2種類しかない
ガマえもん:「世界で4,000万部売れた、お金の本があるんだ」
ケンタ:「4,000万!すごい人が読んでるんだね」
ガマえもん:「でもね、その分厚い本に書いてあることは、たった1つなんだよ」
ケンタ:「1つだけ?」
ガマえもん:「そう。ポケットにお金を入れてくれるものを持て。抜き取っていくものを減らせ。それだけなんだ」
ケンタ:「入れてくれるものと、抜き取るもの……」
ガマえもん:「前者を資産、後者を負債というんだよ」
「負債」は、持っているだけで減っていく
ケンタ:「負債って、どんなもの?」
ガマえもん:「買った瞬間から、お金が出ていくものだよ」
ケンタ:「あっ、ゲームの課金がそれか…」
ガマえもん:「そうだね。ほかにも、飽きて使わなくなったおもちゃ、見栄で買ったブランドのカバンもそうだよ」
ケンタ:「お金が出ていくって、買ったあとも減るってこと?」
ガマえもん:「たとえば車を持つと、置く場所代も、保険も、ガソリン代もかかるだろう」
ケンタ:「乗ってないのにお金が出ていくんだ…」
ガマえもん:「そういうことだよ。持っているだけで、じわじわ財布が軽くなるんだ」
「資産」は、自分が寝ていても働いてくれる
ケンタ:「じゃあ、資産は?」
ガマえもん:「逆だよ。ケンタくんが寝ているあいだも、お金を運んできてくれるものだ」
ケンタ:「そんな都合のいいものある?」
ガマえもん:「たとえば会社の株だね。株を買うと、その会社の持ち主の1人になれるんだ」
ケンタ:「持ち主?社長じゃなくて?」
ガマえもん:「そう。会社がもうかると、そのお金の一部が持ち主に配られることがあるんだよ」
ケンタ:「自分は何もしてないのに?」
ガマえもん:「かわりに、会社ではたらく人たちが動いてくれているからね」
いちばん最初に持てる資産は、これ
ケンタ:「でもぼく、株なんて買えないよ」
ガマえもん:「いい質問だね。じつは、子どものうちから持てる資産があるんだ」
ケンタ:「なに?」
ガマえもん:「知識と技術だよ。これは一生、誰にも取り上げられないからね」
ケンタ:「勉強も資産ってこと?」
ガマえもん:「そうだよ。本を買うお金、練習に使った時間。これは消えたんじゃなく、ケンタくんの中にたまってるんだ」
ケンタ:「見えないけど、増えてるんだ」
負債を持つのが、悪いわけじゃない
ケンタ:「じゃあ、ゲームに使ったぼくはダメなの?」
ガマえもん:「そんなことないよ。楽しむためのお金は、ちゃんと必要なんだ」
ケンタ:「よかった…」
ガマえもん:「大事なのはね、使う前に『これはどっちだ?』と一度考えることだけなんだよ」
ケンタ:「考えてから使えばいいんだ」
ガマえもん:「そう。何も考えずに全部使う人と、たまに立ち止まる人。10年で大きな差になるんだ」
勉強がムダなんじゃない。山がちがうだけ
ガマえもん:「その本の作者はね、2人のお父さんを見て育ったんだ」
ケンタ:「2人?」
ガマえもん:「1人は学校の先生で、高学歴。もう1人は学歴が高くないのに、お金持ちだった」
ケンタ:「なんで逆転してるの?」
ガマえもん:「勉強がムダだったんじゃないよ。登っている山がちがったんだ」
ケンタ:「山がちがう…?」
ガマえもん:「勉強を極めると、いい会社ではたらけるようになる。それはすばらしいことだよ」
ケンタ:「うん」
ガマえもん:「でもね、それとは別に『お金のルールを知る』という山がある。学校では習わないんだ」
「お金持ち=悪い人」だと思ってない?
ケンタ:「でもさ、お金持ちってなんかズルしてそう」
ガマえもん:「あはは。時代劇の見すぎだね」
ケンタ:「あっ、悪代官にお金を渡すやつだ!」
ガマえもん:「そう。ああいうのを見て育つと、お金=悪いものと感じるようになるんだ」
ケンタ:「じゃあ、ほんとはちがうの?」
ガマえもん:「考えてごらん。ズルをして人を怒らせる人に、みんながお金を払い続けると思うかい」
ケンタ:「…払わないね」
ガマえもん:「人の役に立つほど、お金は集まるんだ。ここを勘ちがいすると、一生お金がこわいままだよ」
一気に変えようとしないこと
ケンタ:「よし、ぼくも今日から資産を持つ!」
ガマえもん:「その気持ちはいいね。でも、一気にやろうとする人はだいたい失敗するんだ」
ケンタ:「なんで?」
ガマえもん:「あわてて全部つぎ込んで、こわくなってやめてしまうからだよ」
ケンタ:「じゃあ、どうすればいいの?」
ガマえもん:「今あるお金を、少しずつ資産のほうへ動かす。ほんの少しでいいんだ」
ケンタ:「ぼくにできることは?」
ガマえもん:「まず、おこづかいを使う前に一呼吸おくこと。それから、本を1冊読むこと。それでじゅうぶんだよ」
知っている人は多い。やる人は、ほとんどいない
ガマえもん:「最後に、いちばん大事な話をするよ」
ケンタ:「うん」
ガマえもん:「この本は4,000万人が読んだ。でも、書いてあることを実行した人はほとんどいないんだ」
ケンタ:「せっかく読んだのに?」
ガマえもん:「そう。だからね、知るだけじゃ何も変わらない」
ケンタ:「やった人だけが、変わるんだ」
ガマえもん:「そういうことだよ。今日おぼえたことを1回でも使えば、ケンタくんはもう少数派なんだ」
ケンタ:「じゃあ次のおこづかい、使う前にちゃんと考えてみる」
ガマえもん:「それでいい。その一呼吸が、10年後のケンタくんを助けてくれるからね」
おしまい


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